第16回日英・英語教育学会地方研究会

日時: 2016 年 5 月 22 日(日)

会場: 立命館大学大阪いばらきキャンパス B 棟 2 階ラーニングスタジオ(B275, B276)

参加費: 会員・非会員ともに無料

懇親会: 17:30~19:30

プログラムPDF

ポスター


プログラム

13:30~13:40 挨拶

13:40~14:50 講演 I

講師:清水裕士(しみず・ひろし) 関西学院大学

題目:「社会科学のためのマルチレベル分析―基礎から実践まで―」

15:00~16:10 講演 II

講師:住政二郎(すみ・せいじろう) 関西学院大学

題目:「質的研究を可能にするもの」

16:20~17:00 研究方法相談会

講師:住政二郎(すみ・せいじろう) 関西学院大学

講師:清水裕士(しみず・ひろし) 関西学院大学

司会:草薙邦広(くさなぎ・くにひろ)広島大学

17:00~17:10 謝辞および閉会のことば


講演要旨

講演 1 清水 裕士(しみず・ひろし,関西学院大学)

題目:社会科学のためのマルチレベル分析―基礎から実践まで―

概要:社会科学では,学校-生徒や地域-個人といった階層性のあるデータを収集することが多い。このような階層的なデータを分析する手法として,マルチレベル分析がある。マルチレベル分析は,集団間の変動を考慮した線形モデルの総称であり,階層線形モデル,線形混合モデル,潜在曲線モデル,マルチレベル構造方程式モデルなど,さまざまな分析手法が提案されている。また,論文の査読などにおいても使用が求められることも増えてきており,多くの分野で市民権を得た分析手法であるといえる。本講演では,マルチレベル分析の中でも,階層線形モデルを中心に,その周辺的な手法についての理論的,実践的な解説を行う。具体的には,マルチレベル分析を用いる理由や数理的な特徴についての基礎的な話から,マルチレベル分析を実際に用いるときのソフトウェアや分析結果の解釈などについての実践的な話も行う予定である。また最後に,マルチレベル分析におけるベイズ推定の利点や MCMC による推定方法などについても触れる。


講演 2 住 政二郎(すみ・せいじろう,関西学院大学)

題目:質的研究を可能にするもの

概要:本発表の目的は,質的研究の基盤を成す原理について考察を深めることである。近年,外国語教育研究における量的研究はめざましい発展を遂げた。その特徴は単なる高度化ではなく,効果量,信頼区間,検定力の報告など,データ発生のメカニズムに目を向け,結果の解像度を高める傾向にある。教育は所与の条件下での営為である。外国語教育研究は,所与の条件下でデータを収集して分析を行う。限定的な結果への自覚的な態度と,目前のリアリティにより接近しようとする量的研究の変化は歓迎すべき傾向といえる。限界性を理解しつつも,リアリティに接近しようとする傾向は,質的研究への注目にも見てとれる。所与の条件下での営為を内側から紡ぎ出す質的研究の役割は,今後ますます重要になるだろう。

しかし,質的研究に関しては,研究手法としての原理的存立可能性について,精度の高い言葉を整備し,共通理解として普及させる必要性を感じている。量的研究には各手法が依拠する分布があり,その形状と特徴を原理に検定が行われる。質的研究の場合はどうであろうか?なぜ質的研究は可能なのか?質的研究の定義は確認することができるが,その定義は,なぜ質的研究を支持することができるのだろうか?質的研究について書かれたものを読む度にこれらの疑問を抱いてきた。

本発表では,外国語教育研究の視座から一旦は離れ,複数の主要文献を伴奏に,質的研究の基盤を成す原理について考察を深める。質的研究については門外漢の者にとっては大きすぎる課題ではあるが,質的研究に関する言葉を少しでも増やす営みに参画できれば幸いである。

参考文献

Egbert, J., & Sanden, S. (2013). Foundations of education research. NY: Routledge.

住政二郎 (2014). 「質的研究入門:基盤概念を知るために」竹内理・水本篤 (編) 『外国語教育ハンドブック【改訂版】:研究手法のよりより理解のために』松柏社.

 

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